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つぶやき日記

AIアートについて思うこと

はじめまして。

このブログはつぶやきというかぼやきが多めになる予定です。

 

最近、AIイラスト、AIアートなんてものが出てきていますよね。

先日もニュースでAIアーティストなんてのを紹介していました。

 

私個人の考えでは、AIアートは好きじゃないです。

でも、そのうち当たり前のように溢れかえるんだろうなぁと思います。

 

私はイラストを描いてお金をもらっていたことがあります。

1枚3~6万円くらいで、ファンの方から依頼を貰って月3~5枚描いてました。

企業からの依頼を受けたこともあります。

ゲームキャラクターの差分イラストや、web小説の表紙や挿絵など。

そんな、ほぼ無名の底辺イラストレーターでした。

 

大変で辞めてしまったんですけど。

 

営業や宣伝で使っていたtwitterのTLに、バズった荘厳なAIアートが流れてきたのも、

そんな、イラストの仕事にあえいでいた頃でした。

 

自分で好きで選んだ仕事で、仕事になってたこと自体ありがたいんですけど、

やっぱり大変な仕事です。

一日中座りっぱなしで体は壊すし、手は常に腱鞘炎気味だし、

いいアイデアが浮かばないと締め切りに迫られ夜も眠れないし、

いい作品ができないとファンの方の期待を裏切ってしまう、

見放されてしまうという恐怖に苛まれる。

まあ、メンタルは弱いほうです。

感受性が強いとも言えます。よく泣きます。

そういう感受性が、作品の創造には有利な要素だと思っていました。

 

twitterは、手っ取り早く宣伝するために、

一瞬で多くの人の目に触れるために、とても便利です。

人目を惹くイラストを流せれば、一瞬で数百から数千、フォロワーが増えました。

そのフォロワーがまた、絵を依頼してくれたり、RTして宣伝してくれるので、

twitterはかなり手軽で有用な手段でした。

 

でも、デメリットもありました。

人間関係です。

一応仕事用アカウントなので、それなりに気を使い、

リプにはなるべくお礼を返したり、同業者にはRTといいねをしたり、

気を使いまくりました。

これはとっても疲れることでした。

やはりネットなので、まれに変な人、合わない人がいます。

ついさっきまで毎日ベタ褒めのリプをしてくれたと思った人が、

何が気に入らなかったのか次の瞬間ブロックされているなんてこともありました。

また、twitterデビュー初日の宣伝ツイートからたまたまフォローして、

RTで宣伝に協力したりそれなりに仲良くリプで喋ってたと思っていた人が、

私とフォロワー数が並んだ途端、素っ気なくなって

いいねすらしてくれなくなったり…。

先述した通りメンタルの弱い私は、こういう事も結構堪えました。

 

でも、私は絵を描くことがずっと好きでした。

物心ついた時にはもう「お絵描きが好きだね」と言われていました。

小学校ではよく地域のコンクールで入賞したし、

中学、高校では美術の先生に気に入られ、美術部でもないのに

美術室に入り浸り、先生の勧めでコンクールにも出て受賞したりしてました。

大学は関係ない学部に進んだんですが、ずっと絵は描いてました。

その頃は絵を仕事にできるなんて思ってもいなかったんです。

 

絵を描くことは本当に楽しくて、苦しいです。

見本を見て描く、いわゆる練習は苦しくはないけど、

自分で考えて、人に評されることを考えて描く絵は苦しくなります。

イラストレーターは需要を考えて描かなければならない仕事です。

好きなものを書いてすべてが評価されるわけではないです。

もちろん、上手!素敵!と言ってくれる人はいるでしょう。

でも、依頼に合致した物なのか?用途に沿った物なのか?

依頼主が満足してくれるのか?

イラストレーターはそういうことを考える必要があります。

モナ・リザは素晴らしいと評される絵画だけど、

例えばソシャゲのキャラクターとしては使えませんよね。

 

twitterに絵を投稿していると、似たような感覚に陥ります。

別に依頼されているわけじゃないのに、一度バズってしまうと、

次もそれ以上のクオリティを求められ、期待されます。

反応が瞬間的なtwitterでは、投稿した直後、評価が突き付けられます。

反応が乏しいときは本当に落ち込みました。

twitterを見るのが怖くなりました。

 

そんなに怖くなるのって、やっぱり、

すべてが自分自身で生み出した作品だからであって、

自分自身そのものを評価されているような気持ちになるからだと思います。

作品を肯定されると自己肯定感も高まるし、

作品が評価されないと自分自身を否定されたような、

見捨てられたような気持ちになります。

私はメンヘラすぎるけど。

 

ここで冒頭に話が戻るんですが、

AIアートってたぶん、あまり評価されなくても、

ここまでの気持ちにはならないと思うんですよね。

 

自分で考え、自分の知識を総動員し、

自分の手で描き、試行錯誤し、腰や手を痛め(笑)、

何週間もかかって描き終えた絵の評価が、

思ったほどでもないとガックリくるのはわかりますよね。

ちょっと絵描くの休も…って思ったりもしました。

 

でもAIアートだと、そこまでの労力を費やしてないし、

自分でも想定外、場合によっては想像以上の出来の作品が常にできるわけですよ。

自分の力が及ぶ範囲外の物がポッとできて、それを発表するだけなので、

自分を評価されている気持ちにまではならないだろうと思います。

実際、収集されているデータは膨大なネットの中の、誰かの作品だし。

 

テレビで紹介されていたAIアーティストさんの言葉で、ひっかかったことがあって、

「2,3日後に再チャレンジして、やっとできる事もある。」

「どれを良しとするか、自分の作品として世に放出するかという勝負」

一言一句同じではないけど、こういうこと言ってたんですよね。

 

まず、2,3日で絵が完成するなんて楽だな~!って。笑

小学校の絵画コンクールでさえ、私は1週間は割いてました。

どんなの描こうか悩んでる時間を入れればもっとですよ。

 

それから、2つめはとっても傲慢に感じました。

だって、完成した作品はほかの誰かの作品を継ぎ合わせてできたものなのに、

どれを良しとするか、自分の作品とするか、って…。

その作品が、どれほどの期間かけて会得された技術と知恵で、

どれほどの時間と苦労をかけて創造されたものなのかも知らず、

思いをはせることもせず、「どーれーにーしーよーうーかーな♪」って、

選んでる気分なんだなぁって。正直気分が悪かったです。

 

AIアート作品は、現時点では、原則として著作権は発生しないようですが、

それだって、他の誰かの作品がAIアートを介して

一部だとしても大切な要素が著作権フリーになってしまうかもしれないので、

いち創作者としては恐怖を感じます。

 

AIイラストの特徴として、手や指の表現が苦手ってよく言われてるけど、

AIアーティストの人たちは、こういう明らかに不自然な四肢の修正さえ、

できずに「世に放出」してる方々なんですよねぇ…。

上のニュースで紹介されていたアーティストの方も、

絵は全然描けないと笑っておっしゃってたので、複雑な気持ち。

だからわからないんだろうな。

アーティストだなんて堂々と名乗れるんだろうな。って。

 

人体を描く練習は、それこそ豆ができて、

右手の人差し指と中指が変形するくらいはしました。

骨格を理解し、美しく映えるシルエットを見つけたり、

しっとりとした肌色や質感を表現できた瞬間は、

とっても興奮するし、アドレナリンがバーっと出ます。笑

 

AIアーティストの方々は、そういう喜びを知らないんでしょう。

 

AIアートは今後発展していくと思います。

でも私は、AIアーティストなんて、恥ずかしくて名乗りたくない。